――この本に書かれているのは、「お金儲けのテクニック」ではありません。
金融の起源と言われている古代バビロニアから伝わる「人類不変の知恵」です。
お金に悩まされる現代人に、資産を増やし、お金に縛られず、充実した人生を送る方法を教えてくれます。
だからこそ、この本は約100年もの間、世界中で読み継がれているのです。
次に読む本を探しているときにこの文章を見かけました。
古代バビロニアは紀元前1200年前です。
イエス=キリストが生まれる1200年前です。
日本はまだ縄文時代です。
そんな大昔の大富豪が唱えた「資産を増やし、お金に縛られず、充実した人生を送る方法」なんて現代に通用するわけない。
王様がいて奴隷がいる、そんな時代の知恵なんて。
そう思ってずっとスルーしていたのですが、1年後ぐらいかに漫画版があると知り何気に読むことにしました。
この記事の内容
知識はお金を増やしてくれる資産
これから無人島で生きようとする”奴隷”に
その日の魚を分け与えても意味はない
いくら魚を与えようが食べ尽くせば餓死してしまう
であれば魚の釣り方を教えること
君たちも全く同じだ
君たちに今何十枚金貨を与えようがそれに価値はない
それより重要なのは
明日の「銅貨」を手に入れる方法を知ること
銅貨の価値は金貨に劣れどもその知識はいずれ大きな資産となる
この言葉めちゃくちゃ好きです。
スマホの壁紙にしたいレベルです。しないんですけどね。
知識は資産。
目の前にある1億円は使ってどんどん減っていくけれども、知識はお金を増やしてくれる。
私が本を読もうと思い立ったきっかけの考え方です。
まさかバビロン時代からの教えだったとは。
現代に通用するはずがないと言っていましたが舌の根の乾かぬ内に前言撤回です。
収入の1/10を貯金せよ
「黄金に愛される七つ道具」としてお金を増やす7つの方法などを教えてくれるのですが、そのうちの1つに「収入の1/ 10 を貯金せよ」と出てきます。
率直な感想「え、少なくない?」と思いました。
大富豪になろうってのにそんだけで本当にええんか?
と思っていたのですがコラムを読んで納得です。
サラリーマンの生涯年収は平均約3億円。
定年まで毎月1/ 10 を貯金していくと3000万円貯めることができる。
たしかに老後2000万円問題は余裕で解消できるので、1/ 10 では心もとないと思っていたのはなくなりました。
チリツモってすんごい。
まぁ老後2000万円問題は2017年ではなく2020年の収支では黒字になったので、その額にこだわる必要もなくなったんですけども。
主人公は借金を返済しつつ収入の1/10を貯金した
物語の主人公は、当時バビロンの平均的な商人の4年分の収入に相当する借金を抱えていても収入の1割は貯金に回すようにしていました。
収入の全てを返済に充てていたらすぐにまた先行きがなくなって返せなくなってしまう…
だから収入の中で返済するべき割合をきちんと決めようと思うんだ
収入の十分の一を貯金に回す
十分の七を生活費に…
残った十分の二を絶えず返済に回すと約束する…!
収支をコントロールするって大事ですよね。
私の話になりますが、最近はもっぱらクレジットカード決済なのでいくら使ったか、いくら請求が来るのか把握できておらず月給より多い額の請求がくることもしばしば。
こりゃダメだと思ってからは「いつ、いくら、どこに使ったのか」をスマホのGoogle keepに入力するようにしてから管理ができるようになりました。
気づいて考えて工夫して改善することは大事です。
けどまず気づかないんですよねぇ。これまたおかしなことに。
欲望に優先順位をつけよ
さて、とある疑問が思い浮かんではきませんか?
収入の1/ 10 を貯金していたらその分使えるお金が減るので、なにかしらを削るために生活水準が落ちてしまうのでは?
私は思いました。
けれどもはるか昔のバビロン大富豪によるとその答えは「生活水準は変わらない」そう。
んなわけないやん。
食事がお茶漬けになったり、友達との飲みの回数が減ったり、仕事の帰りにコンビニのチキンを買い食いできんかったりするやろ。
心配事が全て食べものばかりですね。
んでまぁどうして生活水準が変わらないのかというと「優先順位の低い欲望をあきらめても生活水準は変わらないから」らしい。
まぁたしかに好きなモノはつい買いがちですが、なくても困らないものが多いのも事実。
衝動買いしても結局出番なし。あっても数回。
私はお金はあればあるだけ使ってしまう散財タイプで貯金がゼロ近くになったこともあります。
人間の欲望というのはどれだけお金を使おうが際限なく溢れ出るもの
まさにこれ。
お菓子を買うのを我慢しても生活水準は変わらないってのはわかりました。
けど生活の質は下がるよね?QOLは下がるよね??
とも思ったのですがこれはお菓子を切り捨てた場合の話。
考えてみたところ私の欲望の優先順位1位は食事でした。
どうりでさっきから食べることばかりに注目してQOLが下がる!なんてわめいているわけです。
で、考えた結果の優先順位の低いものは服やカバンなどの衣類、アクセサリーや化粧品といった装飾品、旅行やゲームなどの娯楽…。
なんなら食事以外の優先順位が著しく低いことがわかりました。
おいしいご飯を食べているときが1番幸せを感じているので、おいしいご飯が食べられるならあとは多少なかろうが犠牲にしようが問題ないのかもしれません。
今回優先順位を考えてことで、いい温泉宿に泊まるより、外食でおいしいご飯を食べる方にお金を使いたい派という新発見もありましたし、固定費とおいしいご飯代が確保できるのであれば私の生活水準、生活の質は維持されるようです。
1番好きなことにお金を使うためにも優先順位を見直して削る作業はして損はないですね。
より良きところに住め
ただ安くて広い借家に住めばいいと思っている者がなんと多いことか!!
バビロン大富豪激おこです。
住居は幸せな生活と密接に関わっており、そしてその幸せは貯金を増やすモチベーションとなる
住居への支払いは心を豊かにする投資と言えるのである
…なにを言いたいのだろう。汲めない。
私の解釈は
- 職場から10分前後
- スーパーに徒歩で行ける(24時間営業だとなお良い)
- キッチン広い
- バストイレ別
- 共用部分(階段とか)がきれい
といった条件がそろっているのといないのとではテンションは変わってきますよね。
生活の質が上がるってやつです。
…といったところ?
バビロン大富豪の「より良きところに住め」の意図がいまいっちょピンとこないのですが、何をするにも環境は人を変えてしまうほど、ものすんごく大事で影響力がすんごいみたいなことを言っているのかなぁ。
私は数年前まで、自分の置かれた環境を周りのせいにし、何もせず、愚痴を言うだけでした。
白馬の王子様を待つように、きっといつか誰かが何とかしてくれると本気で思っていました。
自分で変える勇気や根性がなかったからです。
ですがけっきょくは自分で動かないと何も変わらないことを学び、いくつか、環境を変えることができました。
いくつか変えた中で、変えるんじゃなかったなと思ったことはなく、変えてよかったとしか思いません。
誰かをアテにしない方がいいと経験上思います。
どれだけ親切な人でも他人なので、他人の都合で物事は進んでいきます。
早くしてほしいとお願いしたところで、その人にはその人の生活や価値観、力量、やる気次第なので、待てど暮らせどになります。
断捨離をすると心に平穏が
ということで私は断捨離を始めました。
要は環境を変えればいい(?)のでいらないものを捨てて部屋をきれいにしました。
こういうの、見聞きしたことはありませんか?
部屋をきれいにすると、
- 集中力アップ
- 健康、美人になる
- ストレス軽減
- 無駄遣いが減る
といった効果が得られるというウワサ。
断捨離がだいぶ進み、以前までは母に「きったないなぁ」と言われていたのですが、今では「あんたの部屋なんもないな」「またなんでもかんでも捨てて」と言われるぐらいにはなりました。
そして私自身に変化があったのかというと
落ち着きました。
なんというか、大人になったみたいな意味で落ち着きました。
具体的には、嫌なことがあっても前よりは心穏やかに過ごしています。
感情的にならなくなったんですよね。
あと、夜に電気をつけなくても扉まで何の障害物にも当たらず進めるというのは案外気持ちのいいものですね。
掃除もしやすいのでストレスが90%減したといっても過言ではありません。
……「より良きところに住め」は、こんな出だしで大丈夫なのかな?
引っ越ししたり転職したりといった大きな変化は今はできないので、小さな変化を積み重ねていくので許してもらえませんかね。
自分こそを最大の資本にせよ
スキルアップとか知識を身につけるとかはさておき。いや大事なんだけど。
マジで健康第一です。
私は1月に腹筋ローラーを20回してみぞおちが筋肉痛になり、何をしても痛くて骨折や肺、心臓の病気を疑いました。
2月には賞味期限の2週間過ぎた乳製品を食べて、腹痛で寝れない食えないという経験をしました。
このプリンを食べたらお腹を壊すってことじゃないですよ?
期限を過ぎているのを知っていたのに、おいしいから我慢できずに食べてお腹を壊しただけですからね?
えっと、なにが言いたいのかというと、体調が万全じゃないとやれることが減ってしまいます。
筋肉痛で行動が制限されたり、頭痛で何もできずずっと目を閉じて転がっていたり、遊びに行っても腹痛でトイレが大親友になってしまい楽しめなかったり予定を変更したり。
あなたも経験があるのではないのでしょうか?
嫌々でも働く意味
子どもに聞かれて困る質問TOP5には入るのではないのでしょうか?
「そんなに嫌なのにどうしてお仕事に行くの?」
「どうして大人になると働かないといけないの?」
物語の中でバビロニアの王子は主人公にこう問いかけます。
金さえあれば働く必要なんてないですよね?
だって世間の多くの人は「働きたくないから」お金持ちを目指しているんでしょう?
働くのはお金を得るためで…
お金さえあれば働くこと自体に意味はない
だって働くことが尊いのであれば一番働いているのは奴隷ですからね
あんなに報われない仕打ちを受けているのはおかしい
鋭すぎる質問。
あなたはどう答えますか?
武器屋の息子であった主人公はこう切り返しています。
刃物を一つ研ぐのでもこれでなにを切るのか…
料理に使うのか戦いに使うのか…
そういうことを想像しながらやっていく
するとどういうわけか武器は少しずつ売れ始める
なぜか分かるか?
そういう思いで作られた物、こなされた作業はお客さんにとってとても質のいいものになる
お客さんは、そのことに対する「感謝」を「お金」というものに形を変えて支払っているだけなんだ
だから人に感謝されるように今、懸命に仕事をする
そのことが一番大事で…
それさえ続けていれば必ず…
光が差す
その光はお金だけじゃなく心をも満たす
だから金持ちになった者も仕事を続けるんだ
こう返答するのですが、まぁ要は、働く意味について主人公は
人に感謝される仕事にこそ意味があり、感謝されるために懸命に仕事をしていればお金は後から付いてくる。
という結論に至っています。
私にとっての「働く」は、自己のスキルアップと人間性の向上、人間関係の構築ができる機会、だと思っています。
お給料は事業のお手伝いをしたご褒美、お小遣いって感覚です。
あなたにとっての働く意味はなんですか?
お金があるだけでは幸せになれない
私たちは漠然と「お金さえあれば幸せだ」と考えてしまいますが、あらゆる幸福に関する調査で、お金が増えれば増えるほど幸せではなく、年収800万円程度がピークで、それ以上は収入が増えても幸福度は変わらないという結果が出ています。
「お金が有り余っていると何にお金を使えばいいのかわからなくなってしまって、はたから見ると訳の分からないことにお金を使ってしまう」とは聞いたことがあるのですが、幸福度までもが行き詰っているとは知りませんでした。
お金持ちには、お金持ちの悩みがあるんですね。
さらに興味深いのはコラムに、アメリカの総資産1億円以上の富裕層は、
- フェラーリの保有率がとても少ない
- 靴や家具は壊れても新しいのを買うのではなく修理してまた使う
- マイホームは中古物件
- 家族との時間を大切にする
- 休日は山で緑を楽しむ
- ビストロで友人と過ごす
といった調査結果が載っていたんです。
実際にビル・ゲイツさんは飛行機はエコノミー派で、マーク・ザッカーバーグさんはホンダのコンパクトカーで通勤されているそう。
物質主義的な消費は、精神的に満たされないことをすでにわかっていて、「ダサい」と考えるのです。
おっと。
私が大富豪に対するイメージってすごく派手でうらやましいのですが、私の理想は大富豪目線だとまさかの「ダサい」。
じゃああの理想的な暮らしをしているのは「ダサい大富豪」であって、他の大富豪からすれば「まだまだガキだな」ってとこなんですかね。
お金があればあるほど幸せになれるのではなく、人とのつながりを持たなければ幸せを実感することはできないのです。
悩みの80%は人間関係だとよく聞きますが、人付き合いがなければ幸福感は得られないとも言う。
難しいですね。
悩みは尽きないわけです。
まとめ
奴隷がいて普通の、紀元前1200年前の古代バビロニアから、現代に通用する「資産を増やし、お金に縛られず、充実した人生を送る方法」があるなんて驚きの連続でした。
そして方法が紹介されるたびに「え?そんなこと?」と思うのですが、理由を聞いて「あー、なるほどねー」となるのもおもしろかったです。
私が今回「バビロン大富豪の教え 「お金」と「幸せ」を生み出す五つの黄金法則」で学んだことは以下のとおりです。
- 知識はお金を増やしてくれる資産
- 収入の1/10を貯金することから始める
- 欲望に優先順位をつけると、お金が減っても生活水準は変わらない
- 環境は人を変える
- 健康じゃないと行動が制限される
- お金があるだけでは幸せになれない
大富豪を目指そうとしているのに、どれもすぐに実践できることばかりが書かれてある本でした。
こういった本は、「いやそれはあなただからできたことだよね」「私の環境では難しいかな」といった実例が並べられていることも多いのでとてもうれしかったです。